いまだ!神さまにすがろう!

人も自分も頼りにならない!もう神さましかいない!

スポンサーリンク


【8】仏さまにもすがれ! その4(終)「まだ僕にはすがれる仏があるんだ。こんなに嬉しいことはない」

スポンサーリンク

f:id:kamisama-ni-sugaro:20180909153149j:plain

(続き) ナイスミドルに諭された俺の心は荒れていた。

こうなれば、お墨付きなんてどうでもいい。楽天でリーズナブルな仏像を買って祀ってやるっ!

そんな思いがたびたび湧きおこった。しかし、お墨付きのないものを買った後でやはりありがたさを感じなかったらどうする?

 

まして、一つ屋根の下で共存するのは神社のお墨付き、お札をお祀りする神棚である。その神棚に匹敵するありがたさが、はたして楽天で買った仏像にあるのだろうか?「ち、ちくしょう。ここまでか・・・」権威主義者である俺にとっては、問うまでもないことであった。

休日、俺は荒れた心で参拝に出かけた。ホンダのリード125を乗り回し、名古屋市内とその周辺の神社やお寺を手当たり次第に参拝した。

有名どころはもちろん、通りすがっただけの場末の小さな社(やしろ)に至るまで見逃すことはなかった。感謝の心を欠いた、心の隙間を埋めるためだけの参拝であった。

会社では孤立してるし明日は嫌な仕事が入ってるし、まったくもー!(; ・`д・´)御利益(ごりやく)薄いぞ!なにやってんの!神さまは助けてくれてるのに、仏さまときたら!プンプン!

夏の日のスクーターはしんどかった。日焼け止めを塗っていたが、腕はだいぶ焼けていた。ひぐらしが鳴きはじめたことに気づいたとき、俺は帰ろうと思った。20か所近くも参拝したはずなのに、心は満たされなかった。

でももういいや。帰らないと。明日は仕事だし。嫌な仕事だし・・・(-_-;)

俺は八事(やごと)にある興正寺(こうしょうじ)から220号線に出ると、自宅のある南西に向けてバイクを走らせた。しばらくして山下という交差点に差し掛かったとき、赤地に白で「道分地蔵尊と書かれたのぼりがはためいているのを見つけた。

俺は疲れていたが、せっかくだから参拝していくことにした。それはお寺ではなく、お地蔵さんがひとつ祀られているだけの小さな石厨子(いしずし)だった。

厨子はけっこう新しめだったが、しゃがんで覗きこむとなかなか年季の入ったお地蔵さんがいらっしゃる。

もともとなのか風雨で削りとられたのかは分からないけど、お顔がのっぺらぼうだ。昔からここで野ざらしになっていて、あとから石厨子に入れられたのだろう。道分地蔵尊・・・この交差点を見守っているのかな?

f:id:kamisama-ni-sugaro:20180909170513j:plain

しかしまあ、たった今名古屋三大大仏のひとつに数えられる興正寺大日如来に手を合わせてきたこの俺である。

こんなみすぼらしいお地蔵さんが俺の心を満たしてくれることはないだろうと思ったが、とりあえず郵便受けのようなおさいせん箱に10円玉をチャリーン。手を合わせてみた。

「むむ?」この蒸し暑さの中、一瞬涼しくなった感じ。なんとまあ。お参りしてると、こういうことってたまにある。俺、このお地蔵さんと相性いいわ。たぶん。

俺はしばらくお地蔵さんを眺めていた。そういえば、今日行ったお寺で本尊がお地蔵さんだったとこってなかったな・・・。そうなのだ。立派なお寺が本尊としているのはだいたい如来さまとか観音さまで、お地蔵さんはこんなふうに道端にいることが多い・・・はうあ!Σ(゚Д゚)

そうだった・・・お地蔵さんはこんなふうに、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ・・・いと弱き人達を、来世ではなく、この世で救うため、寄り添ってくださる・・・。なんの後ろ盾も、なんの権威もなくても、いと弱き人達の想いが、こんな道端に、こんなふうに、お地蔵さんをお祀りするのだ。

お地蔵さん・・・いや、お地蔵さま~!(´▽`)!

俺は浅はかで俗っぽい権威主義者だが、お地蔵さまはそんな俺を、そんな俺のまま包みこんでくれたのである。

南無地蔵菩薩!南無地蔵菩薩!いまや心は晴れやかだ。

俺は早く帰って、楽天で石のお地蔵さまを買おうと心に決めたのだった。(完)

スポンサーリンク